現場のガイドが教える「屋久島に行く前に知っておきたい意外な基礎知識」
このコーナーでは屋久島旅行で失敗しないために知っておくべき(知っておくと便利な)情報を順次ご紹介いたします! どれも実際に現場をガイドするスタッフによる情報ですので実用性が高いものばかりです。
屋久島を初めて訪れる人にとっては思いもよらないような落とし穴や、知って得する意外な情報を掲載していきますので、屋久島旅行を計画されてる方、エコツアーをお申し込みいただいた方などのほか、いつか屋久島を訪れたいとお考えの方でもぜひチェックしてみてください。
【屋久島Tips1】 名付けて「なんでもジップロック!」で悲劇をなくす
雨が付きもの屋久島。一度降ると半端ではありません。傘?カッパ?ザックカバー?これらもある程度は役に立ちますが、そんな対策をしていても何度もお目にかかっている悲劇。具体的には・・・
<悲劇その1>
携帯電話が浸水して死亡(ザックカバーをしたザックの中に大切にしまっていたにもかかわらずです!)
<悲劇その2>
デジカメが浸水して死亡(同上)
<悲劇その3>
財布が、財布の中身が(>_<、)・・・、びちょびちょ(同上)
予めお教えしてますのでグリーンメッセンジャー屋久島のお客様にはこんなことはめったにありませんが、一般の登山者の方でこんなことになってしまった方々には何度も遭遇しております。 というか、雨が降った日の下山後の駐車場などで日常的に見かけます・・・・。
結論からいいますとそんな大事なものは持って行かないのがベストなんですが、保管場所や預かってくれる場所が無いので止むを得ずもっていく場合もありますね。
でもそんな時はジップロックの出番です。そう、あの台所などでよく見かけるアレです。(半端なく雨が降る屋久島の山では中途半端なビニール袋ですら役には立たないと考えたほうがいいでしょう)
大事なものは何でもジップロックに入れてしっかり密封しましょう。
デジカメや携帯など高価で大事なデータが入ったものがダメになることに比べれば僅かな出費です。
【屋久島Tips2】 カメラは広角レンズのものを
縄文杉や白谷雲水峡の美しい風景の前に立って「このバックで記念の一枚をお願いしま~す!」なんて場面でよくある失敗です。具体的には・・・
<風景その1>
縄文杉の幹しか写ってない!ぜんぜん縄文杉が画面におさまらないです・・・(>_<、)
<風景その2>
人しか写ってない!バックの風景を一緒に入れたはずなのにこれじゃどこで撮ったかぜんぜんわからない・・・
普通は画角の狭いレンズのカメラでも撮影者が後ろに移動できればある程度広い範囲の撮影は可能なはずです。ただし「後ろに移動できる場所があれば」の話ですね・・・山道や森の中にはそんな場所はほとんど無いと言ってしまっても過言ではないでしょう(残念ながら)。
そこで登場、広角レンズのカメラ!コンパクトタイプのデジカメでも最近は広角側が換算24ミリのものが増えてきましたね。それより広角のいわゆる超広角であればなおさら良いですね。そうでな いカメラでもオプションでワイドコンバージョンレンズなんていうものもメーカーによっては販売してますね。もしくは魚眼レンズのコンバーターなんてのもあります。
カメラの防水対策もお忘れなく!(海や川にも行かれる場合は防水カメラがベストですが、広角+防水のカメラは残念ながらまだあまり見かけませんね)
【屋久島Tips3】 安いカッパは役立たず!
はい、これもよく見かける危険な風景ですね・・・最悪命も落としかねません。具体的には・・・
<悲劇その1>
一応カッパを着ているにも関わらずびしょびしょになり体温を奪われ、体力を失い、楽しいはずの登山者の顔が修行僧のように一変・・・(笑えません)
<悲劇その2>
持ってきたカッパが長時間歩くうちにやぶれてしまい、雨ざらし。パンツまでびしょ濡れに、以下同文
<悲劇その3>
雨はそれほどでもないが、なぜかカッパの中はびしょびしょ(汗です)。しかも体が熱くて熱中症寸前!
具体的には通勤・通学など日常程度で使う数千円のものは山ではアウトです。コンビニなどにあるものや100円ショップのものは論外です。
普段登山などされない方にとっては高価な登山用のカッパなどはただの贅沢品にしか見えないかもしれません。
「とりあえずビニールっぽいもので覆ってしまえばよいのでは」なんて安易に考えてしまい勝ちです。
しかしその差は歴然!場合によっては命にすら関わります。防水性能や通気性能はもちろん、風や寒さからも身を守る防寒性もあります。しっかりしたものを使うだけで悲劇が一変、楽しい登山に早代わりです。
「でも今回限りのためにそんな高価なものは買えません・・・」という方にはレンタルのご利用をオススメします。
屋久島にもレンタル可能な店はありますし、地元のアウトドア用品のレンタルショップなんかから借りて持って来られる方も最近は多くいらっしゃいます。
【屋久島Tips4】 こまめな水分補給と粉末スポーツ飲料で生き延びよう!
なんだかんだ言っても、やはり登山は体力を非常に消耗します。ましてや普段運動不足な人にとって自分の体力の限界なんてわかりませんし「山で動けない=死」なんてこともあまり認識しておりません。
<状況その1>
脱水症状で体力も限界。もう動けません。
<状況その2>
水をいくら飲んでも喉の渇きが癒せない・・・
<状況その3>
今すぐ点滴を受けたい!頭もフラフラする・・・(>_<、)
屋久島の山や森の中は水が豊富です。一部の場所を除いては水の心配はさほど必要ありません。実際グリーンメッセンジャ屋久島のエコツアーでも基本的に500ミリのペットボトル一本で十分だとお知らせしてます。もったいぶらずにこまめに水分を摂りましょうね。
しかしどうしても水だけでは補給できないものがありますし、状況によっては行動食のアメやチョコですら摂取できないあるいは間に合わないなんていう状況も起こりうるのです。
そんな時に役立つのが粉末スポーツ飲料です!さっと水に溶かしてすばやく吸収できます。
具体的なオススメは、粉末ポカリスエットとアミノバイタルです。持病などの薬との飲み合わせなどで別のものを選ぶ方もいらっしゃいますが、基本的にはこの2つの組み合わせがベストでしょう。
屋久島のスーパーなどでも簡単に手に入りますので、登山前日までにご用意されることをおすすめします。
【屋久島Tips5】 手袋・帽子が真価を発揮!?
都会では手袋は冬の防寒目的程度しか思い当たりませんよね。また帽子はファッションや寝癖隠し(笑)程度でしょうか?(いやまあ、他にも色々あるでしょ うが・・・)そんなすっかりオプションアイテムと化している両者ですが、アウトドアの世界ではこの両者の本来の意味が解き明かされます。それ以降はマストアイテムと化します。
<状況その1>
岩や枝をつかんでの険しい登山道で、トゲが刺さったり、変な虫をつかんじゃったり・・・手がもたないよ・・(>_<、) → 手袋本領発揮
<状況その2>
日差しが南国すぎてやばい。熱中症になりそう。顔だけ日焼けするかも・・・ → 帽子本領発揮
<状況その3>
雨でカッパを着たけど、カッパのフードがうざい。視界悪すぎ。 → 帽子を間にかぶれば快適!
実際現場で必要なくなっても(森の中は日陰がほとんどです)、ザックなどにしまえばほとんど荷物にならないので、じゃまになりませんが必要な状況となった時には心強い見方になってくれます。
ちょっとした小物ですがぜひご用意ください。
【屋久島Tips6】 今回限りの装備はレンタルをうまく活用して格安で揃えよう!
「普段は登山なんかしません。ただ屋久杉やコケの森が見たいだけなんです・・なのに、それだけのために何万円もする装備を買うのはちょっと・・・」という方に朗報!最近はなんでもほとんどレンタルで揃います。
<レンタルその1>
登山靴 ちゃんとしたものは4、5万円以上はしますから・・・
<レンタルその2>
ザック これまた本格的なものは高価ですね
<レンタルその3>
カッパ ちゃんとした本格的なカッパは高価ですが屋久島では必需品です
地元のレンタルショップやアウトドアショップで借りて持ってくるもよし、屋久島にもレンタルショップがあります(要予約です)のでそこで借りるもよしです。
借りる期間や店により料金は様々ですが、二度と使わないかもしれないものを買う事を考えると格安で快適な登山が楽しめるのでオススメです。
屋久島の主なレンタルショップ
山岳太郎ショップ(安房地区)
レンタルの山下(安房地区)
やくしま屋(宮之浦地区)
ナカガワスポーツ(宮之浦地区)
【屋久島Tips7】 一番オススメの天気は霧&雨です!?
スタッフオススメの天気は、なんと霧&雨です!屋久島の森が一番輝く瞬間です。もちろん大雨は危険も伴うのでだめですが、小雨程度ならすばらしい森が楽しめます。また雨上がりもすばらしいのでぜひオススメします。
<輝きその1>
コケは雨で輝きます 晴れ続きだとカサカサで美しさはいまいちです
<輝きその2>
霧の中の森は神秘的 森の木々は生き生きします
<輝きその3>
水の循環を実感 豪快な滝や川を見るチャンスでもあります
まあ、宮之浦岳や黒味岳登山の場合は晴れのほうがいいですが・・・(笑)。屋久島は雨の島です。
地形もその上の植物もすべてがこの雨の恵みで創られてきました。
その雨は黒潮によってもたらされます。そして黒潮の流れはこの地球の大きな循環の一部です。
その事を実感できれば、雨が好きになるはずです。
屋久島の自然がそれを教えてくれるはずです。(スタッフ一同そう確信してます)
【屋久島Tips8】 登山に便利な宿の選び方(目的地に応じて選択しましょう)
屋久島って案外広いんです。
初めて屋久島にお越しいただく方にはイメージしにくい部分です。私自身も屋久島に来る前はもっとコンパクトな島だと思っていました。
屋久島でトレッキングを計画されていて、特に早起きが苦手な方は必見です。
<状況その1>
宮之浦地区の宿に宿泊 → 縄文杉へ向かう荒川登山口行きバス乗り場の屋久杉自然館バス停まで車で約30分(往復で考えると、移動で約1時間!)
<状況その2>
宮之浦地区の宿に宿泊 → 宮之浦岳まで向かう淀川登山口まで車で約1時間30分(往復で約3時間!)
<状況その3>
尾之間地区の宿に宿泊 → 白谷雲水峡登山口まで車で約1時間(往復で約2時間!)
屋久島の広さは、面積にして504.9 km2もあるんです。(東京23区で619 km2)
そのため移動で使う主な道路は、島を一周おおよそ95kmの県道を使うこととなります。
屋久島の中心部は山岳地帯となるため横断道路がありません。レンタカーや路線バスで移動する際も、目的地によっては時間がかかります。
縄文杉トレッキングや宮之浦岳登山など早朝出発の場合は特にですが、行かれる目的地の近くでお宿を選んでいただくと便利です。
移動の時間を少なくすれば、その分屋久島の自然をじっくりと堪能することができるのでは。
※ と、ここまで長々と書きましたが、やはりご自身で選んでいただいたお宿に泊まっていただくのが1番ではないでしょうか。
宿にもそれぞれ特色がありますので(例えば温泉がある、食事にこだわっている、などなど)、ご自身が何を大事にしたいかを考えて決めていただくのがいいと思います。
屋久島にお越しになって登山をされる予定の方は参考までに。
【屋久島Tips9】 登山中の虫よけ対策でリスクを回避! ハッカ油スプレーを作ってみよう!
高温多湿な梅雨時期から夏にかけて出没するヤツら。登山をするということは屋久島の自然の中に入るということ。なので居て当たり前なのですが、できれば出会いたくないものです。
不運にもガイドツアー中に出会ってしまい、こんな被害がでることも。
<被害その1>
休憩中にどこからともなく蚊やアブが…。刺されてかゆい!
<被害その2>
トレッキングを終えて登山靴を脱ぐと、足からぽろっと山ヒルが…。いつの間にか血を吸われた!
<被害その3>
登山道を歩いているとスズメバチの飛ぶ音が…。もし刺されたら最悪死亡!
まずはじめに言っておきたいのは、他の地域に比べると屋久島の森は蚊やアブは少ないです。(雨が多いのが要因のようです。)
また、縄文杉登山道や白谷雲水峡など多くの登山客が使うエリアでは、蛭を見かけることもあまりありません。その点は安心していただいて大丈夫です。
ただ少ないとはいえ、万が一被害を受けるとやはり不快であるのには変わりないですし、蜂に刺されでもしたらアナフィラキシーショックで命を落とす可能性もあります。(ツアー中に刺されてしまったら、応急処置はもちろんします。)
長袖シャツを着たり、市販の虫よけスプレーを使うのも効果的なのですが、ハッカ油を使って虫よけスプレーをお手軽に作ることもできるので紹介します。
用意するものは、ドラッグストアや薬局などで売っているハッカ油。100均ショップなどで売っているスプレー容器のみ。
作り方は、スプレー容器に水を入れて、そこにハッカ油を数滴たらす。あとは混ぜるように振ったら完成です。
使い方は、気になるところへまんべんなく振りかけるだけ。汗や水で流れてしまうので、ハッカの香りがなくなったと思ったらこまめに振りかけなおしてください。
ハッカ油を1瓶買えば大量に作ることができますので、ケチらずにじゃんじゃん使いましょう。
ただ、刺激が強いので肌の弱い方や赤ちゃんへの使用は控えていただいたほうがいいでしょう。
屋久島でとくに虫よけ対策が必要になるのは、5月中旬~9月上旬です。備えあれば憂いなし、といいますので夏山登山の際はためしてみてください。
グリーンメッセンジャー屋久島のオススメ!
FreeStyle半日コースで到着日・最終日を有効に遊びませんか?
- 出発・到着時間に合わせて白谷雲水峡やヤクスギランドもご案内できます。空港や港とお宿の送り迎えもしますので安心してご参加ください。
- 時間の許す限り登山や島内の観光なども目いっぱい楽しめます。実質3~4時間程度でも十分楽しめる内容をご提案します。
FreeStyleコースでリピーター向けのマニアックなツアーも対応出来ます!
- モッチョム岳・愛子岳などあまりメジャーではない登山コース
- 「のんびり・まったりしたいけど、いい場所を知らない」など、既存のツアーでは満足できない方向けのコース
FreeStyle(1日・半日)の詳細はこちら